第77回日本気管食道科学会総会ならびに学術講演会の開催にあたって

会長:
伊豫田 明
(東邦大学医学部外科学講座呼吸器外科学分野 教授)
この度「第77回日本気管食道科学会総会ならびに学術講演会」の会長に任ぜられ、2026年 11月12日(木)・13日(金)、ホテルイースト21東京(東京都江東区)に於いて開催することとなりました。
本学会は呼吸器外科、食道外科、耳鼻咽喉科・頭頚部外科、形成外科、内科など気管食道科領域の悪性腫瘍、呼吸、摂食嚥下、音声など、多領域にわたる治療・研究・教育を行う医師がお互いの技量を高め、知見を新たにするために集う学術団体です。気管食道科領域の疾患を有する患者さんを適切に治療するために、分野を超えた知識・技術を共有し協力するとともに、診療における技をお互いが切磋琢磨して高めていくことが望まれます。
本会のテーマは「技術を極め伝承する-守破離の実践-」といたしました。診療・治療技術を極めるために各領域を跨いで、問題意識を持っている共通の課題について皆で一緒に考え、データを持ち寄って議論を積み上げることで、気管食道科領域の診療を一歩でも前に押し進め、後進に伝承できるような学術活動の場を共に創る会としたいと考えております。
本会は、日常診療で経験した工夫や貴重な症例を報告し討議を重ねることで、臨床にフィードバックできる知識を拡げながら、学術活動の経験を積んでいく、若手は勿論すべての気管食道科領域の医師にとって非常に大切な機会であると考えております。また、革新的なトランスレーショナルリサーチは日々の診療経験の中にその動機や着眼の原点があるものです。各領域が融合したシンポジウム、パネルディスカッション、ワークショップ、教育講演、口演発表などで、高度な技術、診断・治療の発展、医療安全、希少な症例、手術の工夫について等を発表し、更には、口頭発表に留まることなく、会での議論や意見を元に論文としてまとめ上げることは、この分野の進歩発展に大きく寄与します。
また、本会は気管食道科領域に興味のある研修医や医学生に対しても学会発表の場を提供しています。この発表をきっかけとして、一人でも多くの若手医師が気管食道科領域の医師を目指すことは、次世代の発展につながるものと考えております。
今回のポスターは、当施設が大学病院本院として最も羽田空港に近く、今回のテーマが大空に飛び立つようなイメージであるために航空機が飛び立つ様子を中心とし、右側には本学の建学の精神:自然・生命・人間を表すモニュメントを配しました。東邦大学医療センター3病院(大森、大橋、佐倉)が協力し、オール東邦として皆様をお迎えすべく準備をしてまいりたいと思いますので、ぜひ多くの先生方にご参加いただけますようよろしくお願い申し上げます。